クレアチンの筋肉以外の効果

 


前回はクレアチンが筋肉をつけるのに有効だということを詳しく説明してきました。
今回は筋肉以外に対して、クレアチンはどのようなメリットがあるかお話ししていきたいと思います。

 

 

【血糖値の安定化】

 

2011年5月Med Sci Sports Exercに掲載された、サンパウロ大学の研究によると、12週間2型糖尿病患者に対してクレアチンを摂取させたところ、血糖コントロールの改善がみられましたと報告されている。これは、『クレアチンと筋肉について』でお話しした、グリコーゲンの貯蔵量の増加によって血糖コントロールが改善したのだと思います。

   

【骨密度の増加】

 

2005年9月J Nutr Health Agingに掲載された、サスカチュワン大学の研究の研究によると、クレアチンを12週間摂取した結果、骨密度と骨塩量の改善がみられたと報告されている。高齢者にもクレアチンは有効ですね。また、骨代謝にも関わるため、骨折した方も摂取することで回復が良くなる可能性はあるかもしれませんね。

   

【幸福度の増加】

 

2006年3月Psychopharmacologyに掲載された、チチェスター大学の研究によると、18~29歳の男女にクレアチンを1週間摂取させた結果、幸福度の増加がみられたと報告されている。これは前回の記事でお話しした、コルチゾール(ストレスホルモン)の減少により、幸福度が増加したのだと思いますね。

   

【うつ病症状の緩和】

 

2012年9月Am J Psychiatryに掲載された、ソウル国立大学の研究によると、大うつ病の女性に対してクレアチンを8週間投与した結果、うつ病症状の緩和がみられたと報告されている。
実はクレアチンによりつくりだされたATPは脳のエネルギーにもなりまして、脳の情報処理が上がったとこの研究では報告されています。
もしかしたら、頭が良くなる可能性もあるかもしれませんね。

   

【DNA損傷の軽減⇒ガンの予防】

 

2011年12月J Strength Cond Resに掲載された、クルディスタン大学の研究によると、18~29歳の男性に7日間クレアチンを摂取させたところ酸化的DNA損傷と脂質酸化の減少効果があったと報告されている。
DNA損傷の軽減を行えるということは、ガンの予防を行うこともできる可能性もありますね。

   

【ホモシステインの減少】

 

ホモシステインとは何かといいますと、アミノ酸の1種なのですが、血中ホモシステインは、脳梗塞、閉そく性動脈硬化症、深部静脈血栓症などの危険因子だ。つまり、病気にならないために、私たちはホモシステインに対しての対策もした方がいいんですね。
2004年Clin Lab Sci.に掲載された、バージニアアコモンウェルス大学の研究によると19歳以上の男女にクレアチンを摂取させたところ、血中のホモシステインが減少したと報告されている。減少幅はわずかですが、心血管系の病気の予防効果もあるんですね。

   

【睡眠不足の改善】

 

2006年3月Psychopharmacologyに掲載された、チチェスター大学の研究によると、18~29歳の男女に7日間クレアチンを摂取した結果、睡眠不足の症状が減少したと報告されている。わずかな減少ですが、睡眠に対してもメリットがあるんですね。

   

【外傷性脳損傷のめまい、頭痛の緩和】

 

少し医療よりですが、脳損傷患者の栄養指導として面白い情報のため紹介したいと思います。
2008年1月Acta Paediatrに掲載された、ヘラクリオ大学の研究によると、17歳以下の外傷性脳損傷の方にクレアチンを6カ月間摂取した結果、めまいや頭痛症状の緩和がみられたと報告されている。病院などの管理栄養士さんがこういった栄養指導するのも面白いかもしれませんね。

   

クレアチンは筋肉以外にも色々なメリットがありますね。
次回はクレアチンの副作用、デメリット、摂取方法についてお話ししていきたいと思います。  

   

執筆者:robustlife代表 葭原祥平 https://robustlife.jp

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です